オゾン発生器を利用して消臭除菌作業を行う際、「はて?適正なオゾン濃度とは」あるいは「オゾン濃度についてよく理解しないまま作業をしたら危険なのでは…」と、不安に思っている方が多いようで、今回はオゾン発生器を利用して消臭除菌作業を行う際、適正なオゾン濃度についてどのように管理することがベストなのかについて詳しく説明したいと思います。

この記事を読んで分かること消臭除菌作業をするにあたり、「適正なオゾン濃度」が理解できる。オゾン濃度測定器などがなくても、ある程度の精度でオゾン濃度を把握する方法が分かる。

適正なオゾン濃度とは

たとえばガスコンロを使って野菜や肉を炒める際、火力が強ければ早く炒めることができますが、火力が弱ければ肉や野菜に火が通るまで時間を要します。では、強ければ強いほどいいのかというと、火力が必要以上に強すぎれば、焦げてしまったり、火災の原因になって危なかったりすることは想像できるかと思います。
あるいは、ほどよい加減の塩は料理の味を引き立てますが、だからといって塩を入れすぎると塩っ気が多すぎて料理の味を台無しにしてしまうこともあるでしょう。逆に少なければ本来引き立てられるべき料理の味が失われてしまうこともあります。

何が言いたいかというと、オゾン濃度に限らず何事にも適正な濃度や時間、強さ、量などがあるということです。もちろん、それはオゾンにも当てはまります。

オゾンの場合、それが「濃度」になるわけですが、濃度が低すぎると消臭除菌効果があまり期待できず、逆に濃度が高すぎると、人やペットが健康被害を受けるケースもあり得ます。

つまり、オゾンを利用して消臭除菌作業を行うときは、「安全な範囲であり、かつ効果が期待できるオゾン濃度」であることが適正なオゾン濃度ということになります。
分かりやすく図にするとこのようになります。

適正なオゾン濃度とは
 

消臭除菌作業をするときの具体的なオゾン濃度目安について

これはあくまでも業務レベル(一般家庭レベルではない)としてですが、多くの場合、オゾン濃度0.3〜1.0ppmで作業されているケースが多いです。

何故、このくらいのオゾン濃度で作業されているケースが多いかというと、安全が確保されたうえで効果を十分に期待できるオゾン濃度だからです。当サイトで推奨するオゾン濃度(適正なオゾン濃度)もおおよそこれと合致します。

ただ、「現場のリアル」としてお伝えすると、たとえば清掃業の中でも比較的厳しい臭気環境が多い特殊清掃現場などでは、より高い効果を期待するということで、意図的に室内空間内のオゾン濃度を1.0ppm以上にして作業されていたりします。

そもそも、業務用のオゾン発生器は、有人環境で使用する家庭用とは異なり、無人環境で使用するのが大前提です。言ってしまえば、作業対象の空間内オゾン濃度が2.0ppmでも健康被害を受けることはありません。何故なら、そのオゾン濃度の室内には誰もいないからです。

たとえば、オゾン濃度1.0〜2.0ppmの濃度環境の中、人が1〜2時間いると「疲労感・頭痛等を生じる」とされていますが、オゾン特有のオゾン臭がする中、そこに1〜2時間滞在しつづける人など基本的にはいません。

ネット上の情報で、たまに勘違いされているのが、「作業環境の許容濃度は0.1ppm(0.2mg/m3)なので、オゾンを利用した消臭除菌作業で、適正なオゾン濃度は0.1ppmであり、それ以上は危険である」というものです。

この勘違いの理由は、日本産業衛生学会が勧告している作業環境の許容濃度をもとにしたものと思われます。

日本産業衛生学会が勧告する作業環境の許容濃度
日本産業衛生学会が勧告する作業環境の許容濃度

この数値が提案されたのは1963年と大変古く、以来改定や見直しはされていません。(この記事を書いている56年も前のもの)
以下にこの「許容濃度」について引用します。

許容濃度とは、労働者が1日8時間、週間40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に曝露される場合に、当該有害物質の平均曝露濃度がこの数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。

引用元:日本産業衛生学会が勧告している作業環境の許容濃度から

1963年(昭和38年)当時は、比較的オゾン濃度が高い環境の中、さまざまな作業が行われていたことから、このように有人環境下での作業についてオゾン濃度の基準が設けられたものと思われます。(この基準はあくまでも「有人環境」で作業をする場合の基準です)
※令和元年現在は、0.1ppm程度のオゾン濃度の環境下で作業者が長時間の作業を行うような場面はほとんどなくなりました。

先にも書いたとおり、無人環境でオゾンを利用した消臭除菌作業を行う際は、「業務レベルでの除菌(殺菌)」と言われているオゾン濃度0.3〜1.0ppmを目安に作業が行われています。

※濃度について安全性と危険性をさらに詳しく知りたい方は「オゾンの安全性と危険性」をご覧下さい。
 

オゾン濃度の測定や計算方法について

オゾン濃度を知りたい場合、「1.オゾン濃度測定器を使い正確に把握する方法」と「2.計算によってざっくりとオゾン濃度を把握する方法」の主に2つの方法があります。
正確にデータとして記録に残す必要性が高い場面が多い研究室や食品工場以外の多くの現場では後者の2が採用されています。
それぞれ詳しく解説します。
 

オゾン濃度の測定について

もっとも手っ取り早いのは、オゾン濃度測定器(オゾンガス濃度計)を準備することです。
しかし、オゾン濃度測定器は簡易的(精度が高くない)なもので6〜10万円程度、本格的(精度が高い)なもので25〜35万円程度が相場です。
ほとんどの場合、そのような高額な専用機材はないと思いますし、新たに購入しようと思っても予算確保が難しいでしょう。
もし、どうしても正確にオゾン濃度を知る必要があるのであれば、オゾン濃度測定器のレンタルをおすすめします。レンタルであれば、1日5,000円〜程度の予算で本格的な機器を一時的に利用することが可能です。
ご興味がある方は、「オゾン濃度測定器 レンタル」または「オゾン濃度計 レンタル」などのキーワードを検索窓に入力し検索してみて下さい。
本格的な機器であれば、0.01ppm単位での測定が可能ですが、導入コストがきわめて高い点がデメリットといえるでしょう。

オゾン濃度の計算方法について

オゾン濃度は、空間の「容積(m3)」を求め、これから紹介する「計算式」に当てはめ、「実測値」を求めることで簡単に「おおよそのオゾン濃度」を知ることが可能です。

作業対象の空間を1つの箱と見立てます。
容積とはその箱の中の量を意味しています。

まずはあなたがこれから行う作業対象空間の容積を次の計算から導き出しましょう。

・縦×横×高さ
または
・室内面積(m2)×天井高(m)

たとえば、20m2で天井高が2.5mであれば、
20×2.5=50立米となります。

容積が出たら、その容積の数字を次の式に当てはめましょう。

オゾン発生量については、ここではオースリークリア3の600mg/hrを例に計算してみます。

オゾン濃度の理論値
オゾン発生量(mg/hr)÷容積(m3)÷2.14=理論値としてのオゾン濃度

業務用オゾン発生器のオゾン発生量「◯◯◯mg/hr」というのは、1時間に発生するオゾンの量を表しています。
よって、600mg/hrのオゾン発生器で10分間のオゾン 放出を行った場合は、
600mg/hr×10/60=100mg/hr
となります。

つまり、オースリークリア3を使い、10分間のオゾン 放出を行った場合の50m3の室内空間は次の濃度になります。

100÷50÷2.14=0.934(ppm)

↑これが「オゾン濃度の理論値」です。

あくまでもこれは理論値であり、実際には上記のオゾン濃度にはなりません。
何故なら、実際の消臭除菌作業では、
「室内換気」「反応物(雑菌及び臭気物質)」「自己分解」などの影響を受けるからです。

そのため、それらの要素を加味すると、実際のオゾン濃度数値は理論値からおおむね1/3程度になります。
これを「オゾン濃度は1/3程度で平衡状態になる」といいます。

つまり

100÷50÷2.14=0.934(ppm)

この理論値を

0.934÷3=0.311(ppm)

これが実測値であり、よりリアルな数字ということになります。

基準

危険

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